僕の執事


「お客様に対してその態度…ですか。
あなた、マリアさんの側で今まで何を習っていらしたんですか?」


騎馬の言葉が頭に来たのか、さらに機嫌が悪くなった神田は、怒った口調で応接室に行くよう促した。


「失礼致します。」


騎馬はニッコリ笑い先に上がりると、慣れた手つきでスリッパを俺の足元に置いた。


「さて、参りましょうか。」


頼もし過ぎる騎馬のあとを黙って付いていくと、騎馬は応接室には始めから向かう気はなかったらしく、真っ直ぐ理事室へと繋がる階段を上って行った。
それに驚いた神田が、慌てて俺達のあとに付いてきた。
 ─コンコンッとノック音が廊下に響き、中から優しい声がした。


「失礼致します。」


扉を開けると、机に向かい仕事をしてるマリアさんが騎馬越しに見えた。
マリアさんに促され部屋に入ると、お久しぶりですと深々と頭を下げる騎馬に倣い(なら)、俺も頭を下げた。


「夜分遅くに申し訳ありません。 遅ればせながら、参りました。」


「わざわざ悪いわね。
…あなた黙って連れてきたの?」


俺の服装を見て、マリアさんが悪戯な笑みを騎馬向け、スッと立ち上がった。