「実はマリアさんから僕宛てに手紙が届いたんです。 だいぶ前に陸が来たと、会えてうれしかったと書いてありました。」
口元だけで笑い、意を決したように「それから─」と続けた。
「葵さんが来ているそうです。」
『なんで葵が執事学校に?』
「多分…陸のために行ったんだと思います。」
また、俺の為かよ…
静かにため息を吐き、騎馬の言葉に耳を傾けた。
「葵さん、執事を辞めると言ったみたいなんです。」
『執事を辞める?!』
「手紙にそう書かれていたので、間違いないと思います。 マリアさんには至急来るようにと言われていたのですが…陸の体調を考慮すると、なかなか言い出せず…
申し訳ありません」
『…事情はなんとなくわかったけど、なんで帰ってこなかったんだろ?』
そんな疑問を乗せたまま、それから二時間電車に揺られた。
【Butler's駅】に向かう車内、騎馬とはあまり会話をしなかった。
─電車に揺られながら今までに起きた出来事を思い返してた。
騎馬の口から"葵が執事を辞める"そう聞いた時、素直に嬉しいと思う反面なんで?が頭に浮かんだ。


