僕の執事


「陸、少し寄り道しましょうか?」


いつも通り学校から家へ帰る道すがら、静かに運転してた騎馬が急にそんな事を切り出したのは、あれからまた一週間が過ぎてからだった。
ようやく俺の心が落ちついて来た時、タイミングを見計らったように言ってきた騎馬と、バックミラー越しに目が合い、軽く頷いた。
窓の外に目を移すと、雪が静かにコンクリートに吸い込まれて行くのが見えた。


葵が帰ってこない事を親父や母さんはまだ知らない。
兄貴には隠し通せないと思って、帰って来た日に話したけど、いちいち訳を話さなきゃなんないのがめんどくさかった。
 でも一通り話を聞いた後で、親父と母さんには言わないから安心しろって言ってくれた。
兄貴にまで心配掛けてなにしてんだ俺…


『どこいくの?』


最近の事を色々思い返してたら、いつの間にか駅の近くに来てた。


「今日は少し遠出しようかと思いまして。」


『遠出…?』


小さく呟き、また窓の外に視線を戻した。
最近、デジャブのような事が起きる。
でもそれは実際にあった事で…さっき騎馬が言った言葉も、俺が落ちてた時に言われた言葉だし…。


俺…この先どうなんだろ?