僕の執事


「僕はやることがあるので、失礼します。」


少し怒ったような口調でそう言い残すと、そそくさと部屋を出ていく騎馬に、小さくごめんと謝った。


「陸…俺いてもいいのかな?」


ばつが悪そうな顔で聞いて来る恭平に黙って頷いた。


「でも、なんか執事騎馬怒ってなかった?」


『ん、大丈夫ちゃんとOKもらったから。』


「そう…」


ポリポリ頭を掻き、本当に大丈夫かな?なんて呟いた後、急に口籠った。


『どうした?』


「いや、なにも…」


そう言ってまた悩みだす恭平は、しばらくして声を上げた。


「どうせバレんだから、言ってもいいよな! うん」


そう言って、俺に向き直ると「あのさ…」


『なに?』


このシチュエーション、前にも一度あったな…
身を乗り出す恭平に、一瞬で記憶がフラッシュバックした。


『また、キスするとか?』


「はっ?! ちげーし…」


一瞬恭平が目を逸らした。
恭平もあの日の事、思い出したのかな?
まだ、俺を思ってたりすんのかな?


『ごめん。で、話しって?』


「え?…うん。
お前がさ、学校休んだ日に俺、名波の執事に話しかけたんだ。」