僕の執事


『それもあるけど…
気持ち伝える為だろ?
って、この状態で言っても説得力ねぇか』


軽く笑っただけなのに、激しい咳が出、驚く間も無く一瞬で全身に痛みが走った。
それだけの事なのに、ほんの一瞬"俺死ぬのかな…"なんて言葉が浮かんでは消えた。


「陸っ!!」


慌てて寄って来た騎馬が、俺の背中をさすりながらゆっくり深呼吸をするよう言ってきた。


『─ゴホッ…ハア、びっくりした…』


やっと咳が収まり、苦笑い混じりにそう言ったら、俺以上に驚いた顔の恭平に「びっくりしたのはこっちだよ!!」


『ごめん。ケホッ…』


まだ少し残る発作的な咳に、騎馬の目が光った。


「しばらく横になっていてください。」


『…恭平は?』


素直に横になる準備を始め、テキパキ動く騎馬にそう訊ねた。
せっかく来てくれたのに、なんて聞こえない理由繰り返し、駄々をこねる子供みたいな顔を向け、上半身を両腕で支えながら返答を待った。
 騎馬は小さなため息を吐いた後にあまり声を出さない事。を条件に恭平がいることを許してくれた。


『サンキュー』


微笑し枕に頭を乗せた俺に、困惑顔の恭平が俺と騎馬を交互に見た。