僕の執事

俺は苦笑いを向け、擦り傷の治療を受けながら会話をした。


『確かに、派手にやられました。』


「陸くんをこんなにした相手っていうのはよっぽど強いんだな」


そう言ってまた豪快に笑った。
騎馬と同じような事言ってる…。


『先生、今日の事親父には黙っててもらえますか? 今、大事な時期らしいんで…』


「相変わらず優しい子だねぇ 君は。」


秋山医師の顔から笑みが消え、おちゃらけた雰囲気が一変、真剣な空気に変わった。


「だが、あまり優し過ぎると、知らずに大切な人を傷つけてしまうことがあるから、気をつけた方がいいぞ?
特に君の場合は、父親に似て変に同情する所があるから。」


『親父が誰かに同情、ですか…?』


「ああ、なんど危ない目に巻き添えをくらい、どれほどの人の人生を変えてきたたことか…」


秋山医師は呆れた顔を左右に振った。
親父にもそんな過去があったんだ。そう思ったら、少し親近感が湧いてきた。
俺の前ではいつも厳しくて、優しく笑いかけてくれたのだって、数えるほどしか覚えてない。


『親父って、いつからあんな厳しくなったんですか?』


「厳しい…?」


俺の言葉に、秋山医師は不思議そうな声を出した。