僕の執事

それでも執事として生きる道を選んだ和臣を凄いと思った。
もし俺が和臣の立場だったとして、他の奴に好きな人の世話なんか任せたいとは思わないもんな…。


『あー…考えただけでイライラしてきた。』


信号が赤から青に変わり、苛立ちを抑えるように深く深呼吸をし、タイヤ熱で溶け剥き出しになったアスファルトを下に見ながら信号を渡った。
──真っ暗な公園を街灯の灯りが照らす中、公園から騒がしい声と聞き覚えのあるその声に、足が止まった。
少し乱暴で、俺様ぶった声の主を思いだそうと、いつの間にか公園に足を踏み入れてた。


真っ白な雪に、土色の靴の跡がクッキリと残ってた。
パッとみ3人…
キャハハとバカでかい笑い声に、思い出しかけた時、後ろから誰かに羽交い締めにされた。


『…離せ!』


「それは、出来ねえな。
おいシュン!! 鴨がかかったぜ!」


『シュン…?』


その名前を聞いていつかの、恭平をイジメてた奴だと分かった。
シュンなんて名前、俺が知ってる限りじゃ1人しかいない。


「忘れた訳じゃねえよなっ!?」


不適な笑みを浮かべ、近づいて来たシュンは、言い切るのと同時に俺の腹を殴った。