『今、メールだと思ってケータイ開けたら電話でびっくりした』
《メールで返そうと思ったんだけど、なんか途中でめんどくさくなっちゃって…電話の方が早いじゃん!!って。》
『あー確かに。』
《で、どうだった?》
『ああ…うん。』
曖昧な返事をする俺に、何が合ったのかを聞いてきた。
『なんか、俺嫌われてるっぽい』
《なんだよいきなり。》
『いや、行ったらさ、いきなり昔話聞かされて、堂々と名波が好きだ宣言されて?』
《結局なんで呼ばれたわけ?》
『…さあ?』
根本的なところは、俺にもよくわからなかったけど、和臣が名波を想う気持ちだけは充分に伝わってきた。
それから恭平と少し話し、礼を言って電話を切った。
『少し急ぐか。』
両手をコートのポケットに突っ込み、冷えた空気の中家路を急いだ。
信号が青に変わるのを待つ間だ、和臣の話を思い返してた。
『はあ…』
幼い頃から執事しか選択肢が無いなんて…どっか似てる。なんて思ってしまった自分が恥ずかしくなった。
生まれた家庭が代々執事家系だった。ってだけで、執事として生きるかは自分で決めれたはず。


