僕の執事

最後に撮ったプリクラは、二人が笑ってブイサインをしてるモノだった。
ラクガキをし、プリクラが出てくるのを待ちながら、二人で話した。
本当の親友のように…
たわいもない昔話から、兄貴の話し、最近あった出来事。


騎馬は相変わらず変な敬語を話す。
よく「陸と話してると言葉が変になります」と何度も言われた。
そのたびに『タメ語でいいじゃん。』と言ってきた。
それでも、変わらず敬語なのは、騎馬にも執事のプライドがあるからなんだろう。
俺には理解できないプライドだけど、俺にもあるんだろうな…とも思った。


「出てきましたよ?」


取り出したプリクラを見て、二人で笑った。
こんなに笑ったのはいつぶりだろう?
 プリクラを撮って満足した俺は、ゲーセンを出ようと出口に向かった。


「今日はやらないんですか?」


『ん? やりたいの?』


「いえ、そういう訳では無いのですが…」


しまったと言いたげな顔で見る騎馬に、思わず吹き出しそうになるのをグッとこらえ、中に戻った。


『ホッケーやったら次行くからな!』


ニヤリと笑い、騎馬を挑発する。
そして、あの日から2度目のゴングがなった。