「一ノ瀬くんって意外と礼儀正しいんだなって」
『意外とって…』
「私がイメージする一ノ瀬くんは、お箸もらう前に手で摘んで食べてそう。だったから」
『なんだそれ。 てかそれ恭平じゃん!』
「そうなの?」
恭平の話をしながら、騎馬の作ってくれた弁当を食べた。
恭平も呼べば良かったな…重箱の中がカラになった頃、ふとそんな事を思った。
『ごちそうさま。』
膨らんだお腹を叩きながら、背もたれに寄りかかった。
「ごちそうさまでした、美味しかったです。」
重箱をしまう騎馬は、名波の言葉を聞いて嬉しそうに微笑んだ。
そして、会社へ戻ると言った騎馬を、1人玄関まで見送った。
「ここで結構です。」
『騎馬、今日はありがとな。』
「いえ、久しぶりに執事の仕事が出来て楽しかったです。」
『よかったな』
「はい!!」
黒い革靴を履きながら、満足そうな顔を俺に向け騎馬は、軽く礼をし「お勉強頑張ってくださいね」といい残し去っていった。


