僕の執事


『大人、か…確かに騎馬は大人だな。
臨機応変に接し方や話し方をコロコロ変えるし、見てて飽きないカメレオンみたいな。
だから、騎馬と居ると安心する。
深い意味は無くてさ、なんかこう平和に過ごせるっていうか…』


「ねえ、騎馬さんは陸の執事だったの?」


『なんで?』


「2人のやり取りが、自然だったから。
それに、さっき騎馬さんが現在はお兄様にお仕えしてる、って行ってたし。」


『ああ、うん。』


名波の観察力と勘の鋭さに驚き、隠すのもめんどくさくなって…それでも葵の事を省いて話した。


『騎馬はつい2ヶ月くらい前まで俺の執事だったんだ。
十数年一緒にいた、俺に取って大切な家族。』


「家族…」


『そっ、家族。』


家族であり、友達であり、親友であり…大切な僕の執事でもある。
教室が目前に迫った頃、騎馬が追いつき、3人で歩いてると、廊下で待たされてる名波の執事、和臣と目があった。
視線が合ったのはほんの数秒で、俺が教室に入り途切れた。
スローに見えた和臣の顔は、驚きと怒り、そして名波が戻ってきた事への安堵が入り混じってた──