僕の執事

騎馬の後ろから笑い混じりの声が聞こえ、覗き込むと名波が立ってた。


『いつ来たの?』


「ついさっき。
私にもコーヒー下さい!」


俺の隣に移動し、カウンターに向かって自分の分を注文した名波は、俺と騎馬に向き直り、自ら自己紹介を始めた。


「はじめまして。
名波若菜と言います。
一ノ瀬くんとは、ついこの間お友達になったばかりです!!」


『最後いるか?』


名波にツッコんでると、隣にいた騎馬が微笑みながら「素敵な方ですね。」と名波に聞こえるように言った。


「あ、ありがとうございます。」


照れながらも礼を言う名波に、今度は俺から騎馬の事を説明した。


『執事の騎馬。
騎馬は、俺が小さい時から一緒にいる家族みたいな、親友?兄弟?
まあ、とにかく優秀すぎる執事だから。』


「よろしくお願い致します。」


互いに自己紹介を終えた頃、注文したコーヒーがシルバーの丸いトレイに乗って出てきた。


「僕がお持ちしいたします。」


『ありがと。』


騎馬にコーヒーを任せ、何の相談もせずに、名波と俺は窓側の席に向かって歩いた。


「─騎馬さんは、どうして一ノ瀬くんと一緒に居ないんですか?」