僕の執事

車を出して数分。
バックミラー越しに騎馬が訊ねてきた。
あったんですか?なんて聞いてるけど、本当は何が合ったのか言えって事か?でも、確信がないから疑問系で聞いてくる。
騎馬の癖。


『ないよ、まだ。』


「まだ ですか…」


『残念だけど、まだ。』


数日前の妙な胸騒ぎはまだ消えず、胸の奥に残ってる。
和臣の視線がある限り、この引っかかりは消えない気がする。


「…何かあったら遠慮せずに連絡してください。僕は暇な執事ですから。」


俺の不安を取り除こうとしてるのか、いつにも増して笑顔が優しかった。


『…うん。』


結局、和臣の事を言おうか迷ってる間に、学校についてしまい、話が出来なかった。


「こうなっていたんですか…」


キョロキョロと辺りを見渡す騎馬は、校内を見渡しながら俺の後ろをついて来た。


『あんまりキョロキョロしてっと、はぐれるぞ?』


「大丈夫ですよ。
はぐれたら、来た場所を戻りますから。」


『…そう。』


騎馬がもし山で遭難したとしても、本当に戻って来そうで怖い。
てか、逆にすごいかも。


『フッ…』


「本当に戻りそうだ。
って思いましたね?」