僕の執事

─それから何時間話しただろう?
時計の針は夜中の二時を指し示してた。
コーヒーのお代わりをしながら、騎馬がいなかった間を埋めるように話をした。
それでも、マリアさんのことは言わなかった。
騎馬を驚かせたかったのと、きっと2.3日後にはマリアさんから騎馬宛てに手紙が届くはず。
手紙が着てからでも、話すのはそう遅くないし。


「そろそろおやすみにならないと、明日からまた学校でしょう?」


腕時計を見ながら言う騎馬。
もう少し話してたかったなぁ。
なんなら学校休んでも…って前の俺なら言ってたかもな。
今だって、そう言うのは簡単だ。でも、騎馬に迷惑はかけられない。
騎馬だって、明日早いんだし、俺のワガママで引き止める訳にはいかない。


『うん。』


テーブルのコーヒーカップを片付けてる間だに、コートを腕に掛けたまま騎馬の少し小さくなった背中を見つめた。
いつの間にあんな小さくなったんだろう?


「では、参りましょうか。」


『うん。』


パチンとリビングから明かりが消える音がし、その後に騎馬の足音が聞こえた。


『…なあ、騎馬。』


「はい、なんでしょう?」


『お前、いつから後ろ歩くようになったの?』