僕の執事

 流星雨を充分に堪能した俺らは、寒くなってきたのもあり、帰る事になった。
広げたブランケットを丁寧かつ素早く片づける南の手元を見つめ、先を行く恭平と泉の背中を1人眺めた。


『はあー』


1人まだ流星雨が降る夜空を眺め、闇の中に息を吐き出した。


「陸、そろそろ行かないと。」


いつから居たのか、葵が声を掛けてきた。


『ん、願い事するからちょっと待って。』


「願い事、ですか?」


『こんだけ流れてりゃ、一つくらい叶うだろ!!』


夜空に笑顔を向け、目を閉じ心の中で願い事を唱えた。
───…風の音が耳をざわつかせる。
ゆっくり目を開け、隣を見ると胸の前で手を組み、目を閉じて何かを願ってる葵の横顔があった。
なぜかいつも、こんな姿を見ると壊してしまいたくなる。
壊して、自分だけのモノにしたくなる…。
…最低だな俺。


「何をお願いしたんですか?」


いきなり目を開けた葵と目が合い、楽しそうな顔を俺に向け聞いてきた。


『叶ったら言う。葵は?』


「では、私も叶ったら言います!!」


『叶うかわかんねぇけどな…』


小さく笑い飛ばす俺の呟きを、葵は何も言わずに聞き流してくれた。


『そろそろ戻るか。』


「はい」