んーと唸り、出ない言葉を懸命思いだそうとしてた。


「あ…よそよそしい
そう、よそよそしいんだよ!!」


思い出せて嬉しそうな恭平は、それだけ言うと数回頷き俺が喋るのを待ってた。


『…だから?』


「だからって言われても困るんだけど…怒ってる?」


『いや、ごめん。』


「別に良いけどさ。
なんかあんなら話せよ!?俺、話し聞くことしか出来ないからさ!!」


笑顔で言う恭平の言葉に、胸の奥がチクリと痛んだ。
話し聞くことしか出来ないから。
そうさせたのは多分俺だ。まだ、喉の奥につっかえて取れない小骨みたいに、時々恭平の切ない顔が浮かんで、そのたびに本当に恭平にした返事が合ってたのか悩む。


『…頭ん中グチャグチャでさ…なんかもう、どうすれば伝わんだろうな…』


恭平の言葉に少し甘え、悩んでる事を口にした。
それは全て、後ろで楽しそうに笑う葵の事。
恭平に話す度、残酷なことをしてる気分になるから、葵の名前はあまり出さないようにした。


「最初ってさ、好きな気持ちに気づくな!!って思わねぇ?」


俺の言葉を聞いた後、恭平がいきなりそんな事を言た。


『ん…。』