そう話す泉の後ろから、「捨て猫みたいな言い方すんな!!」と声が聞こえた。


『なんか鳴いてっけど』


便乗してボケた俺に、泉は《あははっ!!
ココア与えとけば大人しくなんだろ》と答えた。


『(笑)』


《じゃあ、そう言うことだから。》


『ん、後でな…─』


そんなやり取りの後、俺は葵を呼びに部屋を出た。
──コンコンッ
ドアをノックする音が静かな廊下に響く。


「はい。」


返事と共にドアが開き、現れた葵はさっきの可愛い女の子から、カッコイイ執事に変わってた。
でも、カッコよく見えたのは格好だけで、顔はまだ寝ぼけてる。


『泉たちすぐ着くから、外で待ってろって。
…大丈夫か?』


確認をすると、「はい…多分」


『(多分って…)本当に大丈夫かよ…』


見兼ねた俺は、葵を一旦部屋に戻した。


「…え!?」


『ちゃんと確認終わるまで、出てくんな。』


バタンとドアを閉め、1人階段を下りた。
ポケットから取り出したケータイをバイブにし、真っ暗なリビングのソファーで葵を待った。