僕の執事

─家の前でタクシーを降り、ケータイで時刻を確かめながら急いで家に入った。
まだ寝起きでボーっとしてる葵の手を引き、二階に上がると自分の部屋に入れた。
葵が目覚めるまでソファーに座らせ、ポケットに入れてたケータイをテーブルに置き、上着を脱いだ。


クローゼットから白いコートを引っ張り出し羽織ると、ソファーの上でボーっとしてる葵からマフラーを外し自分の首に巻いた。
寒そうに首をすくめる葵は、ようやく目が覚めたらしく、此処はどこかと聞いてきた。


『俺の部屋。』


「…陸の部屋…」


『頭起きてる?
今、急いでんだけど。』


ぐるりと部屋を見渡す葵に、そう声を掛けると、急に立ち上がった。


『葵?』


「失礼します!!」


そう言って葵は部屋を出て行った。


『なんだあれ…』


訳も分からず部屋に置き去りにされた俺は、突然鳴りだしたケータイに目をやった。


『…はい。』


《陸?》


電話の相手は泉だった。


『うん。』


《もう少しで着くからさ、外に出ててくれる?》


『わかった。
あ、恭平はもういんの?』


《うん、さっき拾った。》