僕の執事


『葵、起きろ!!』


葵の体を揺すると、目を開け眠そうに目をこすりながらゆっくり立ち上がった。
急いで電車を降り、タクシーを捕まえ飛び乗った。もう、バスじゃ間に合わない。
ケータイとにらめっこしてる間も、右でシートベルトに締め付けられたまま寝る葵は、俺の焦りなんかお構いなしにスヤスヤ寝てた。
それでも、タクシーに乗るとき離した手を再び握り締められ、おしゃぶりがないと眠れない赤ちゃんみたいで見てると妙に安心出来た。
─暗闇の中で光を放つケータイを閉じると、窓の外に目を向け、渋滞が起こらない事を切に願った。