僕の執事

─あれから1時間が過ぎ、窓の外に見えてた景色も、今は真っ暗で何も見えない。
街頭の光りと、俺の肩に寄りかかっていつの間にか寝てる葵の姿が窓ガラスに写ってた。
今日は、いっぱい歩いたからな…。
1時間後には、もう家なんだよな…流星見に行ってる途中か?どっちにしろ、動物園の風船はもう貰えなくなったな。


『ハァ…─いい加減気づけよ、俺が好きなの。』


窓ガラスに写る葵に向かって小さく呟いた。
そういえば…
ポケットから理事長にもらったメモを取り出し、広げてみた。


『マリア…?』


その紙には、執事学校の住所と理事長の名前が書かれてあった。
あの人マリアって言うんだ…理事長室での出来事を思い出し、その名前に微笑んだ。
紙をポケットに戻し、今度はケータイを取り出し開いて見ると、【新着メール一件】の文字が目に留まった。
理事長室に入るとき、バイブからサイレントに変えたのを思い出し、少し焦りながらもメールを開いた。


【7時に迎えに行くから、温かい格好しとけよ!!

恭平】


メールを読み終わるのと同時に、時計に目を向けた。
17:31分…ギリギリか?間に合えばいいけど。
左手で【了解。】と打ち送信完了の文字を見て、ケータイを閉じた。