僕の執事


『騎馬、出かけるぞ?!』


「どちらへ?」


『思い出作り?
とにかく早くしろ、置いてくぞ?』


きっと今の俺は、騎馬には見せたことのないくらいの笑顔だと思う。
イタズラを思いついた子供みたいに、胸が弾むのは悔しいけど親父の言葉に感謝した。
 部屋のドアを開け、騎馬が来るのを待つ間、頭の中で何をしようか考えてた。
とりあえず、ゲーセン行ってプリクラを撮る。
執事がプリクラって、って考えただけで笑えてくる。
ついでに遊ぶか!
次に…


「陸どうかなさいましたか?」


『ん? なんでもない。』


ずっと笑ってる俺に、不信感を抱いているであろう騎馬に車を出してもらい、無理やり連れ出した。こんな命令が出来んのも、騎馬が『俺の執事』だからだな。