僕の執事

中庭から廊下に戻り、中央の階段を上ると、理事自ら出迎えてくれた。


「いきなり呼び出してごめんなさいね?」


『いえ。』


あの場に居たくないと思ってたから、呼び出されてちょっとホッとしてた。
「どうぞ?」と通された室内をぐるりと見渡すと、応接室とは全く違う塗装がされてた。
壁紙のクリーム色が、理事長の優しさを表してるみたいで、妙に落ち着いた。
なのにカーペットは、一面ピンクで…幾つになっても、女性らしさを忘れないオチャメな理事の背中を見ながら、そっと微笑んだ。


「好きな所に座ってちょうだい?」


中央にあるクリーム色のソファーを指し示し、コーヒーを入れる理事の言葉に素直にソファーに腰掛けた。
改めて部屋を見渡し、そこでやっと部屋の広さに驚いた。
20畳は優に越える広さに、デスクが一つとテーブルにソファー。


中くらいの洋服ダンスに、ディスプレーようの棚が壁にそって置かれてるだけだった。


『広いですね。』


俺にコーヒーを渡す理事に、そう言ったら「ちょっと広すぎたわ」と笑った。
クリームと砂糖入りのコーヒーを一口飲み、落ち着いた頃理事が口を開いた。