僕の執事


「はい。代わり番こに毎日手入れしてます。」


俺には分からない会話を続ける2人は、俺の存在なんか初めから無かったように話しこんでた。
初めは、見ててなんだでもなかったその光景も、だんだん見るのが辛くなり、少し離れた場所で2人に背を向け、空に白い吐き出される息を静かに眺めてた。
鼻の奥がツンと痛むのをこらえ、マフラーで口を覆った。


 ──あれからどのくらいの時間が過ぎたんだろう?かじかむ手をポケットのに入れ、ふと建物の上を見上げた時、二階の窓にピンク色の風船を見つけた。


『……?』


しばらく見てると、その窓に人影が見え、目を凝らし見ると理事長が立っていた。
軽く頭を下げる俺に、理事長は立てた人差し指を口に当て、手招きをした。
口パクで『オレ?』と自分を指差し訊ねると、コクリと頷いた。
俺は、未だなにかを話してる2人をチラ見し、静かにその場を後にした。