僕の執事


「ええ、無事卒業していきました。」


さっきの呟きを確かめるように神田に聞く葵。
俺じゃ答えられないけど、神田なら…って、どんどんネガティブになる頭を振った。


「これからどちらへ?」


「中庭に行こうかと」


「では、私もご一緒してもよろしいでしょうか?
所々変わって来ているので案内しましょう」


ただ葵と一緒に居たいだけだろ。
募るイライラに、大人な余裕を見せる神田がさらに俺をイライラさせた。
それは、嫉妬に近い感情だった。
「はい」と笑顔で返事をする葵は、神田も一緒で良いかと聞いてきた。
勝手に返事しといて聞く必要あんのかよ。
それでも俺は嫉妬心を抑え、大丈夫だと告げた。


「では、行きましょうか?」


──神田の案内で中庭に来る間、神田はずっと葵に話しかけてた。
時々俺を気にするふりをして…どうやらこの執事は、俺と葵を2人にするのが嫌らしい。
さっきと同じように、神田の隣で楽しそうに笑う葵を見ながら、苛立つ心をギリギリの所で抑えた。


「今は冬の草花を植えてるんです。」


「キレイですね。」


中庭はそれほど広くはなかったけど、葵の言うとおり、咲いてる花はどれもキレイだった。


「この花の手入れもまだ見習いが?」