僕の執事


「では、私はこれで失礼ます。高城さん、帰るときに寄ってちょうだい?」


理事長は立ち上がると、葵の側にあったピンクの風船を眺め、「頂いてもよろしいかしら?」といった。


「どうぞ。」


葵はカバンにくくりつけてた、風船の紐を解き理事長に手渡した。


「ごゆっくり。」


最後に軽く頭を下げ部屋をていった。


「理事を送って来ますので、お好きに見ていてください。」


神田が去り、パタンとドアが閉まるのを確認すると、大きく伸びをした。


『風船、またもらいに行かないとな?』


隣でポカーンとしてる葵に笑いながら言うと、俺の言葉なんか耳に入ってないらしい、ボソッと「理事長のあんな笑顔、初めてみました。」


『いい人だな、あの人。
手紙書くって言ったのに、名前聞き忘れちゃった…』


苦笑し立ち上がると葵に声を掛けた。


『見て回んだろ?』


「あ、はい!!」


慌てて立ち上がると、ドアに近づいて行く俺の後をパタパタとついて来た。