僕の執事

あの目は、愛しいモノを見る目。
神田も葵が好きなんだ。
だから突然来ても、嫌な顔をしなかった。


「…く、陸?!」


『んっ?!』


気がつくと、側に葵がいた。


「大丈夫ですか?」


『あ、うん。
ちょっと考え事してただけ。』


「もうすぐ神田さんがいらっしゃると思うので、座って待っていてください。」


『あ、うん。』


のろのろとクリーム色のソファーに腰掛け、神田が来るのを待った。
右隣には、俺の後に続いて葵が座った。
ソファーから見える景色は不思議だった。
部屋なのに、どこか別世界にいるような…
わかる人が見たらちゃんとした説明とかするんだろうなぁ…
俺には見てると落ち着く。しか浮かばないけど。


コンコンッ─
ノック音がし、ドアに視線と意識を向けた。
ゆっくり開くドアから、神田が入ってきた。
ドアを支える神田の後から、年配の女性が現れた。
多分、この人が理事長。
葵の顔が強ばったのを見ると、多分正解だろう。


「高城さん、ごきげんよう」


優しい笑みを浮かべながらも、キリリとした目もとはピクリとも動かなかった。


「お久しぶりです。」


立ち上がり、深々と頭を下げる葵。