「立ち話しもなんですから、上がってください。
そちらの方も。」
わざとらしい。
とは思ったけど、こんな所でふてくされても葵を困らせるだけだと分かってた俺は、作り笑顔を向け返事をした。
『はい。』
「神田さん」
「はい?」
玄関に入り、用意されたスリッパを履きながら、葵が男性の名を呼んだ。 神田って言うんだ。
「紹介が遅れました、こちら私が執事としてお仕えしております、一ノ瀬陸様です。」
その言葉を聞いて神田は、「そうでしたか」と俺に笑顔を向け、自己紹介をした。
「はじめまして、神田寿明(かんだ としあき)と申します。」
「神田さんは、この学校の理事の孫で、理事の執事でもあるんです。
学校でも、取るのが難しいと言われるSランクの称号をお持ちでいらっしゃいます。
理事の執事何代目でした?」
「えーっと、先代から数えて、ちょうど20代目ですね。」
『へぇ~』
この人Sランク執事なんだ。
「紹介もすんだ所で、行きましょうか?」
「はい。
ご無理を言って申し訳ありません。」
「構いませんよ、教え子が来たんです、きっと理事もお喜びになる事でしょう。」


