僕の執事

微笑を向ける男性に、葵がプッと吹き出した。


「ご無沙汰しております。」


深々と頭を下げる葵に、イマイチ状況が把握出来てない男性は、困った顔をしてた。


「皆さん元気ですか?」


ニッコリ笑いかける葵に、ようやく思い出したと言わんばかりの顔を向け、笑顔で話し始めた。
その間俺は蚊帳の外。
学校の門くぐった時点で既に存在が薄くなってる事には気づいてたけど、長くなんのかな?


「私服だったからわからなかったよ!」


「今日は私用があり、こんな格好ですみません。」


再び頭を下げ、楽しそうに話す二人の間には、俺が入る隙間はこれっぽっちも無かった。
てか、こんな格好ってなんだよ。
なんか、1人浮かれてカワイイなんて思った俺がバカみてぇじゃん。


「私用で風船?
そういえば、何しに此方へ?」


今思い出しました。と言わんばかりに話を振る男性は、チラっと俺を見て言った。
2人に背を向けると、薄水色の空を見上げ白い息を吐いた。


「近くまで来たので、寄ってみたんです。」


嘘。1時間掛けて、ここに来ました。
この男に会いに来たとかじゃないよな?


『はあー…』


今度はため息が漏れた。