僕の執事

吐息混じりに呟き、サンタから離れた。


「今日は賑やかですね?」


『だな。』


「最初に何を見ますか?」


入り口に合ったパンフレットを広げ、何を見ようか悩んでる姿を黙って見てた。


『─決まったか?』


「はい!!」


パンフレットから顔をあげ、笑顔で頷く葵に連れてこられた場所は、ライオンの檻の前だった。


『…これが先なんだ。』


レッサーパンダとか、かわいい動物想像してたのに…左右に行ったり来たりしてるライオンを見ながら、どうしていいのか分からず、ライオンに背を向けシルバーの柵に寄りかかって葵が飽きるのを待った。


「かわいい…」


『ぷっ!!』


隣を見遣ると、真顔でジーッとライオンを見てる葵。
その光景がおかしくて、可愛くて愛おしくてまた吹き出した。


「なんで笑ってるんです?」


1人笑う俺に、執事口調で聞いてくる葵になんでもないと告げ、葵がもってた園内のパンフレットを奪うとその場で広げた。


『次は?』


「どれにしましょう?」


広げたパンフレットを覗き込み、次の行き先を考える葵の頭には、もうライオンの存在はないらしい。