僕の執事

─部屋を出てから一時間が過ぎた。
俺は、近くのスタバでホワイト チョコレート モカ フラペチーノを飲んでた。


『甘っ…』


完璧に帰るタイミング逃したな…あの二人、どうしてっかな?
あ、親父帰ってるか…だとしたら、怒ってんだろうなぁ。


『あ…っ』


騎馬、見送ってやんねぇと。その事が俺の重たい腰と足を動かした。
最後くらい、迷惑かけずに済ませるつもりだったのに。
なんか遠くに行くワケじゃないのに、騎馬がすごく遠い場所に行く気がしてきた。
兄貴と俺のいる空間も違うわけだから、遠くて当たり前なんだけど…


──甘いモカフラペチーノを飲み終える頃には、家の前まで来ていた。
星がチラつく中、星をかき消すほどの明かりが灯る家の門扉をくぐる。
親父、帰ってんのか?。


『ただいま。』


気だるい声で一応帰った事を知らせ、そのまま部屋に向かおうとした時、どこから出てきたんだと言いたくなるほど、突然現れた騎馬に驚いた。


「お帰りなさいませ。」


『た、だいま…』


「皆さんお揃いですよ?」


『なんで? なんか祝い事?』


「お祝い事と言えば、そうですね。」


『ふ~ん。』


「『・・・・・」』