イブから開けた、クリスマス。
昨日は夜遅くまで騒いだ後、12時過ぎに恭平達が帰った。
後片付けをしながら、葵は"楽しかった"と何度も口にした。そんな葵を遠巻きに見る俺は、葵の倍以上楽しかった。
それこそ遊園地に行った記憶が薄れるほど。


それでも、陽が昇れば自然と目が覚める。
今日は特別、目覚めが良かった。
7時に目が覚め、シャワーを浴びた後、部屋で着ていく服を必死に考えた。
動物園に行くのを考えると、動きやすい格好だよな…クローゼットの前で腕を組み、下着一枚のまま何分が過ぎただろ?とりあえず、ジーパンを履いた。
─数分後。
寒くなって黒いハーフ丈の服をを着た。
その後は、すんなり決まった。
スプリングコートと葵に貰ったマフラーを取り、ケータイとサイフをポケットに突っ込むと部屋を出た。


「─おはようございます!」


下に降りると、まだ執事服姿の葵がいた。


『おはよう。…そのカッコで行くの?』


ソファーにコートとマフラーを置き、ダイニングテーブルの椅子に腰を下ろした。


「あ、いえ…」


俺の質問に、葵はハニカミながら答えた。


「後で着替えようかと思いまして…」


『そう…。』