『ふぅ…』


小さく息を吐き、巻いてたマフラーを外すと、背もたれに掛け恭平の左隣に腰掛けた。
目の前には、持ってきたハンバーグの皿を置く葵と智章さんが微笑んで座ってた。
こんなに心が温かいと、この先が不安になる。
ノンアルコールのシャンパンを開け、勢いよく飛ぶコルクが宙を舞い、それがパーティー始まりの合図になった。
めったに出ないシャンパングラスを合わせ、今日の出来事を交えながら遅めのパーティーが開かれた。


こんな事いつ振りだろ?騎馬がいない生活に慣れ、変わりに葵が居ないと不安になった。
こんな幸せがいつまでも続けばいいのに…そう願いながら、ピカピカ光るツリーのテッペンに飾られた星を眺めた──。