僕の執事

驚く恭平の顔が、パッと明るくなり、言葉にならないほどの声で俺の名前を叫んだ。


『…前言撤回。』


「なんだよそれ!!」


恭平の反応がおかしくて、何度かそれを繰り返してると、泉に呼ばれた。


『ん?』「なに?」


ほぼ同時に出た言葉に、泉が笑った。


「成瀬達、迎え来たから先に帰るって。」


『ああ…』


「そう。」


「もういいから。」


呆れた口調で返す泉に、恭平と2人顔をあわせて笑った。


「…─じゃあ、学校で!」


車に乗り込む瞬間、成瀬が泉にそう告げた。
俺達の方を見てたけど、目線はハッキリと泉を捉えてた。


『もう付き合ってんのかな?』


隣でまだグチグチ何かを呟いてる恭平に、聞いてみた。


「ん?まだ付き合ってないって。」


『なんで知ってんの?』


「さっき、合流した時惚け話し聞かされた。」


『そうなんだ』


小さく手を振る泉の背中を見ながら、静かにため息を吐いた。
黒い車が見えなくなるのを確認したあと、思いっ切り両腕を伸ばし、大きく背伸びをした。


『やっと終わった。』


長すぎる1日が、やっと終わった。