僕の執事

歩きながら、ケータイで時間を確かめると、少しで6時になる所だった。
それから、【新着メールが一件】の文字に胸がドクンと大きく跳ねた。
ドキドキしながら、メールを開くと…─


【深い意味は無いですよ?
ただ…陸が居ないと淋しいって言っただけで。

早く帰って来てくださいね?
ハンバーグと一緒に待ってます(笑)】


その文章を何回も読み返し、帰ったらどうにかなりそうな頭をなんとか正気に戻し、返事を書いた。


─俺も、葵が居ないと淋しい…かも?

なるべく早く帰るから。
ハンバーグ食うなよ?


打ち終えた画面を見ながら、素直に慣れない自分と、送信ボタンに手を掛けたまま送れずにいる自分に、少し苛立ち初めてた。


「陸、寒いんだから早く来いよ!!」


いきなり呼ばれた名前に、いつの間にか立ち止まったままだった事に気づき、前を見ると、寒そうに足踏みをし、両腕をさすって体を温めようとしてる恭平が目に留まった。


『ん…』


小刻みに何度か頷き、思い切って送信ボタンを押した。


─送信しました─


『ふぅー…』


待ち受けに戻ったケータイをパタンと閉じ、みんなの輪に少し遅れて入った。