「知ってる?観覧車が頂上に着たとき、キスしたカップルは幸せになれるんだって。」
『知ってる。
でも、ただの迷信だろ?』
その言葉を聞いた名波は、小さく笑った。
「恋人じゃない人がキスしたら、どうなるかな?」
『…さあ?』
「両想いになれるかな?」
『気になる?』
「うん。」
『名波ってさ、変わってるよな。』
「えっ?」
怪訝そうな顔をする名波に、話しを続けた。
『あの2人といて、楽しい?』
「なんでいきなりそんな事聞くの?」
確かに名波の言うとおり、いきなりすぎだな。
でも、散々質問しといて、俺には質問するなって言うのは、おかしくね?
成瀬や篠宮といるときより、大人っぽく見える名波に『なんとなく。』と返した。
成瀬や篠宮といる時の名波は、本当に楽しそうに見える。
でも、俺にはどこか冷静で、いつも何かを見透かしてるように映る。
知られたくない部分まで覗かれそうで、あんまり一緒にいたくなかった。
それが苦手の理由なのかも…こんだけ話したのに、名波の考えてる事がよく分かんねえし。
それでも、名波は当たり前とでもいいたげに「楽しいよ?」と答えた。


