僕の執事


『今日、ずっと俺の事見てただろ?』


その質問に名波がピクリと動いた。
図星かよ…


「どうして?」


『視線が気になった。』


「気づいてたんだ…」


返す言葉が見つからず、『…ん。』と頷いた。
名波は「そっか。」と呟き、話を進めた。


「一ノ瀬くん、時々優しい顔するよね。」


『えっ…?』


「色んなアトラクションに乗る度、何か思い出すように遠く眺めて、優しく笑ってた。
少なくともその笑顔を引き出してるのは、私じゃない事は確か?」


また口元だけで笑った。


『俺さ、本当は遊園地来るの嫌だったんだよね。』


「…えっ!?」


明らかに暗くなる名波
だよな 誘って来たのは向こうだし。
でも、そんなのお構いなしに俺は話を続けた。


『今日、本当はアイツらと流星群見に行く予定だったんだ。
流星群はいつでも見れる分けじゃないのに、遊園地を優先した。』


「…ごめんなさい。」


『別に謝ってほしくて言ってるわけじゃないから。
…あと、俺名波のこと避けてた。』


名波は戸惑いながらも、理由を聞いてきた。


「…どうして?」


『苦手だから。』