僕の執事


【泣くかよ(笑)
全然怖くなかったし。
今度一緒に入るか?】


【止めときます。】


【そう? あ、恭平がお化け屋敷の人逆に驚かして、係の人に怒られてた(笑)】


【智章さんが居たら、もっと怒られてますね(笑)】


【だな(笑)】


そのメールを送信したあと、「陸、なにニヤついてんだよ」と言われ、顔を上げると眉間にシワを寄せ、不思議そうな顔で俺を見る恭平がいた。


『別に?』


ケータイをバックにしまい、何食わぬ顔でコーヒーを飲んだ。
目の前に座る恭平に「本当に何も食べないのか?」と聞かれ、少しめんどくさかったけど『うん』と返した。
 ─遊園地に来てから、何時間が経ったんだろ?
俺が最後に見た時刻は3時半を示してた。
少しざわつき始める店内で、談笑しながら遅めの昼食を取る3人を眺め、ウエストバックの中でケータイがピカピカ点滅してるのを見た。


今ここでメールを返したとしても、誰も気にしないような空気だったけど、何となく嫌だった。
俺の隣で楽しそうな声を出す名波が、さっきからチラチラ俺を見てくるのもあったし、その視線が気になって手を出せずにいた。