僕の執事


「陸は何にする?」


『ん?』


葵とメールをしながら店に入ると、カウンターを前に恭平に聞かれた。
顔を上げ、ずらっと並んだメニューの中から、ホッとコーヒーを頼んだ。


「何も食べねえの?」


『ん、腹減ってないから。』


葵の作った夕食が待ってるから。なんて口が裂けても言えねぇな…
真っ先に出来たコーヒーを啜り、3人の注文の品と戻って来るのを近くのテーブルに腰掛け待つ事にした。
その間にも、葵とのやりとりは続いてた。


【久しぶりの遊園地はどうですか?】


【楽しいよ。
葵が怖がって乗ったゴンドラにも乗ったし(笑)
ジェットコースターは乗んなかったけど。】


【そんな事思い出さないでください!!】


葵の返信に、一人ニヤける俺は、周りの目なんか気にならなかった。
どんなアトラクションよりこの瞬間が一番楽しかったから。


【コーヒーカップで回しすぎて、フラフラになったり、メリーゴーランドに乗ってはしゃいでた事思い出してた。】


【懐かしいですね…】


【だろ? それでさ、お化け屋敷も入ったんだよ!!】


【怖くて、泣き叫んでたんじゃないですか?】