僕の執事

無理やりメリーランドに乗せられ、最後に来たのがお化け屋敷の前だった。


『なあ』


「ん?あ、怖いとかいうなよ?」


『ちげーよ! 泉達、どうしてっかな?って思って』


「あー忘れてた。
そういや連絡もないし、今頃2人で遊んでんじゃないの?」


『そっか。』


「それより、どうする?」


『何が?』


「どっちが先に行く?」


いつの間にか2組に分かれ、入り口前で話をしてた。
どっちでもいいと思いながらも、早く帰りたい俺は『先に行く』と勝手に決めてしまった。
隣で不安そうな顔をする名波に、『行くぞ』だけ告げ先を歩いた。
─一歩中に踏み入れると、薄暗い照明が怖さを演出してた。


『大丈夫か?』


「えっ?」


『怖かったら引き返すけど。』


その時、初めてまともに会話をした気がする…
俺の言葉に名波は「大丈夫です」と笑って見せたけど、俺には無理矢理作った笑顔にしか見えなかった。


『嘘つき、ココ掴んどけ』


そう言って自分の服の袖口を握らせた。
手を握れば早いんだろうけど、なんとなく握るのに抵抗があった。