僕の執事

誰にも気づかれないよう、小さくため息を吐くと、俺と名波が来るのを待つ恭平の元へ無言で歩いた。
 ヒョコヒョコと少し早足で付いてくる名波に、歩幅を合わせる事なく歩く俺は、他人の目にはどう映ってるんだろ?
そんな事をひたすら考えてた。


ケンカしたカップル?
勝手に怒った彼氏に、謝りながら付いてくる彼女?
どっちにしろ、友達には見えねぇよな。
ただの同級生なのに。
あ~背中にビラつけて歩きたい。《彼女じゃありません!》って。


「おい!」


そんな妄想を膨らませる俺を呼び戻したのは、恭平だった。
気づけば、前に名波と篠宮が並んで歩いてる。


『なに?』


「お前、顔が怖い。」


『えっ?』


「鬼の面でも被ってんのかと思った。」


どんな例えだよ…
つっこむ代わりに、苦笑した。


『恭平…』


「ん?」


前の2人に気づかれぬよう『出来れば、2人きりになりたくない…』とこっそり耳打ちをした。
立ち止まった恭平は苦手しながら「なるべくそうする。」と言ってくれた。