僕の執事

─数分後、フラフラした足取りで泉が恭平に支えられ降りてきた。


『大丈夫かよ』


立ち替わりに泉を座らせる。
苦笑する俺に、笑顔で大丈夫と答える泉は、明らかに顔色が悪かった。


「予想以上に速くて、身体がちょっとビックリしてるだけ。
休んだら良くなるから。」


『そう…あ、なんか飲み物買ってくるわ。
恭平行くぞ!』


「え!? うん。」


恭平を連れ、ベンチを離れた。


「なんで乗んなかったんだよ。」


4人の姿が遠ざかった頃、少し怒った口調で聞いてきた恭平にさっきと同じ事を言った。


『言ったじゃん。
大切な物が壊れるからって。』


「大切な物って?」


何がそんなに大切なのかしつこく聞いてくる恭平に、『これ』とマフラーを見せた。


「マフラー?」


『そう、クリスマスプレゼントで貰ったんだよ。
葵に…。』


葵の名前を出すと、ああと頷き納得してた。


「なるほど。
確かにあの風の中だと、どっか飛んでくな。」


俺のワガママに理解を示してくれる恭平に、小さく『ありがとう』と呟いた。
それから、適当にジュースを買い戻ると、少し顔色が良くなった泉に笑顔で迎えられた。