『騎馬に?』


頷く葵に、そんな時間どこに合ったんだ?と思った。


「味、変じゃないですか?」


『ん、おいしい』


素直に思った事を口にすると、葵は満足そうな笑みを浮かべ、俺の食べてる姿をジーッと眺めてた。
──三つ目のカツサンドに手を伸ばした時、タイミングよくチャイムが鳴った。
葵からカツサンドの乗った皿を受け取ると、玄関に消えていく後ろ姿を見ながらカツサンドにかぶりついた。


「陸泉さん達がいらっしゃいましたが…」


『んー。ちょっろ待って』


ハムスターみたいに口の中いっぱいに詰めし込むと、立ち上がってダイニングに皿を置き、玄関ではなく冷蔵庫に向かった。


「早くなさらないと…」


『うん。』


後ろで困惑してる葵に、短く返事を返し冷蔵庫から牛乳を取り出すと、直接パックに口をつけ飲んだ。


『はあ…。行くか』


牛乳をしまい、最後のカツサンドを皿から取ると、口に詰めし込みようやく玄関へと向かった──…


『じゃあ、行ってくる。』


「忘れ物はないですか?」


『ん、荷物少ないし。』


「そうですか。
お気をつけていってらっしゃいませ。」