「編んでみました。
本当は明日渡すつもりだったんですけど、今日寒いみたいなので。」
照れくさそうに笑いながらも、少し俯いて俺の様子を伺ってる葵がいつもより小さく見え、思わず抱きしめそうになった。
『ありがと。』
抱きしめる変わりに、髪を撫でた。
俺なりの精一杯。
徹夜したんだろうな…編み目揃ってねえし、穴空いてる…
「お時間大丈夫ですか?」
いきなり現実に戻され、少しテンションが下がった。
ケータイで時刻を確かめると、そろそろ迎えが来る時間だった。
『まだ大丈夫。』
気合いを入れ直し、一階に降りると、ソファーの上で泉と恭平が来るのを待った。
「お腹すいてませんか?」
ご飯は向こうについでから食べる予定だったけど、ついてから食べる気にもなれず葵に何か作ったのかと訊ねた。
「はい、サンドイッチ作ったんですが……食べますか?」
微妙な間はなんだ?
気になったものの、あえて触れず食べるとだけ答えた。
「どうぞ。」
きれいに並べられたカツサンドを一つ手に取ると、そのまま口に運んだ。
「このサンドイッチ騎馬さんに教えてもらったんです。」