「でも、飲んでんの甘いじゃん。」


『うん。飲む?』


「えっ!?…うん。」


ホワイトモカを差し出すと、一瞬戸惑い受け取った。


『お前のなに?』


「ん? ココア…」


『子供みたいだな。』


困り顔の恭平から、ココアを貰うと、一口飲んだ。


『あ、ココアだ!』


そんな当たり前の事を言ったら、「まんまじゃん」と泉につっこまれ苦笑した。
それから、6人で残り少ない流星雨を眺めた。
映画でよく見る輪になって映ってる形になり、俺の左から葵、智章さん、南の順に並んでた。


「キレイですね…」


『…ん。』


投げ出された手を少し左にずらすと、葵の手に触れた。
ピクッと動いた手に、顔を左に向けると葵も俺を見てた。
何を話すでもなく、ただハニカム葵の少し冷たくなった手をそっと握った。


少し冷たくなった風が、耳を痛くする。
それでも、ずっとこのままで…そう願ってしまうのは、左手に暖かい温もりが繋がってるからなのかも…。
──その1時間後、日付が変わる前に帰ることになり、繋いでた手を離した。
それでも、まだ温もりが残る手のひらをジーンズのポケットに押し込んだ。