僕の執事


「いい所だろ?」


車から降りてきた泉は、メガネを直しながらそう言った。


『いい所って言われても、真っ暗で何も見えねえし…』


「翔太さん、準備が整いました。」


泉にそう話しかけたのは泉の執事南だった。
黒いコートを羽織り、手には小さく丸められたブランケット、を人数分抱えていた。


「よし行くか!!」


その言葉を合図に、泉と南は歩き始め、俺と恭平2人の執事は後をついて行った。


『どこいくんだろ?』


「知らないけど寒い…」


さっきから体をさすってる恭平の服装は、少し寒そうだった。


『もっと厚着してくればよかったのに。』


「急だったし、こんな場所に来るなんて知らなかったから…」


「恭平さん、これ着てください。」


智章さんに後ろから厚手のジャケットを被せられ、袖を通す恭平を横目に見ながら、いつからそんなのを持ってたんだと疑問が浮かんだ。


「風邪には気をつけてくださいね。
最近、インフルエンザも流行りだしてますから。」


過保護過ぎる智章さんに恭平は、笑顔で「大丈夫」と言ってた。


『その根拠はどっからくんだよ…』