僕の執事

刻一刻と時間だけが過ぎる中、俺はいつの間にか眠りに付いていた…


「ちぃちゃん!」


『あおい いい加減その呼び方止めろよ』


「止めないよ!?
私しか呼んじゃいけない特別なあだ名だもん!」


ニッコリ笑う葵は、俺より少し背が低い。
昔、俺は葵より小さかった為、【小さいちぃちゃん】と呼ばれていた。
 それも大人になるにつれて、陸に変わっていったけど、葵だけは変わらず俺の事をちぃちゃんと呼んでいた。


止めろって言ってたけど、本当は嬉しかった。
欲を言えば、葵にも陸って呼んでほしかったけど、葵は絶対に呼んではくれなかった。


「ちぃちゃんまたね!」


『おう!またな。』


俺の夢はいつも葵との別れが付いてる。
そして、うなされ起きる。


『…ん…っ…いくな!!…はっ!?』


今日がその日らしい。
俺が飛び起きると、心配そうな顔の騎馬がいた。
手には、水?


「またあの夢ですか?」


騎馬から水を受け取り、一気に飲み干した。


『はあ…俺、またうなされてたみたいだな』


「はい。」


騎馬は俺からコップを受けとると、そう返事をした。