僕の執事

そのメールを読んだ後、恭平に返信が打てなかった。
打とうと思えば、打てたのかもしれないけど、言葉が見つからなかった。
当たってるか?なんて、よく分かんないけど…
よくみてんだなって思った。
─しばらくして、チャイムが鳴り、パタパタと葵が玄関に向かう音が聞こえ、自然と入り口に視線が移った。


「佐々木さんがいらっしゃいました。」


その言葉を聞きテレビを消すと、イスにもたれかかったカバンを肩に掛け、リビングを出た。


「先に行っていてください。戸締まりの確認をしてまいりますので」


微笑む葵に『わかった』と告げ、葵と別れた。
玄関を出るとき2~3回深呼吸をし、玄関の扉を開けると門扉越しに恭平が見えた。


「陸、おはよ!」


窓から顔を出し、笑顔で言う恭平に軽く挨拶し、反対側に回ると扉を開けて待つ智章さんと目があった。


『おはようございます。』


「おはようございます。
頭に気をつけて下さい。」


智章さんの言葉に、『すいません』と声を掛け車に乗った。
パタンと、ドアが閉められたのを確認すると、智章さんは運転席に戻った。


『あ、恭平ごめんな。』