僕の執事


『…なあ。』


「はい。」


『俺が行く高校って、兄貴と一緒?』


「はい、同じ学校です。
よくわかりましたね?」


『聞かなくてもわかるだろ。ってことは、転校すんの?』


「そうなりますね。」


俺は今、普通の高校生活を送り始めた所だった。
まだ数日しか行ってないのに、転校って…
まあ、良いんだけど。


『兄貴は何年で卒業したんだっけ?』


「確か…三年と4日だったと思いますけど。」


『それって、早いの?』


「早い方ですね。」


『そっか…なんか、めんどくさっ』


「…陸」


心配そうな声を出す騎馬に、手をヒラヒラと振り『大丈夫!ちゃんと行くから。まあ、兄貴より優秀じゃねぇけど?』


「そのくらいの元気があれば、大丈夫ですね。」


おう!なんて呑気に会話してるけど、俺には正直無理だと思った。
騎馬に迷惑掛けたくなかったから、強がって言ってみたけど、あんな面倒くさい学校…
俺が転校する学校は、少し、かなり風変わりな所らしい。
 兄貴からよく聞かされた話しでは、「授業が難しい。友達なんて上辺だけだぞ。卒業したら、ライバルになるんだから。」と半ば愚痴のようにも聞こえる話を聞かされた。