「葵さんは陸に笑っていて欲しいと仰っていました。陸の笑顔を見てるだけで、頑張れる。と…
葵さんは強くなられました。」
『だな…。』
俺より全然大人だ。
全部俺の為…昔葵が言ってたっけ。
真に受けなかったけど、きっとあの時 既に執事学校に通ってたんだろうな…。
「そんな日々が卒業式の少し前まで続き、葵さんは陸より先に卒業式を済ませ、陸に気づかれぬよう家を出ました。
そこにちょうど僕が通りかかったんです。
葵さんは気まずそうな顔をしておられました。」
『そこは葵に聞いた。
騎馬に見つかったって。』
「そうでしたか。
そこで少しだけ、話をしたんです。
執事になる事に、抵抗はないのですかと…
葵さんは、ハッキリ無いと言っていました。
決めたことだからと…
陸が悲しみますね。
そう言った時だけ、少し悲しそうな顔をしておられました。
それからは陸がご存知の通りです。」
全てを聞き終え、しばらく止まったままの手と茶碗を見つめた。
俺がもし、葵の立場だったら、どうしてた?
嫌われるの覚悟でこっそり居なくなって、帰ってきたら執事で…。


