「普通の執事学校では立派な執事になるため、寮に入らなければならないのですが、葵さんの場合特別に家から通う事を許可されたのです。」
『親父の力か?』
「違います。と言いたい所ですが、半分はそうですね。」
『半分は?』
「葵さんにはある条件がついてたんです。
─その条件は、執事学校を卒業したら一ノ瀬陸の執事につく事。
つまり一ノ瀬家が執事を予約したのです。」
『予約って、葵は物じゃねぇ…』
「確かに今のは言い方が悪かったですね…。
それから葵さんは、暇を見つけては執事学校に通っていました。
執事の試験と学校の両立は大変だったと思います。
それでも、葵さんは弱音一つ吐かずに、両立させたのです。」
『なんで俺に言わなかったんだよ…』
俺だけなんも知らずに、過ごしてたなんて…。
葵が執事学校に入ってたなんて知らなかった。
いつも明るくて、俺の前ではずっと笑顔で…。
『知ってたら…』
「知ってたら何か出来ましたか?」
少し強い口調で言う騎馬に、何も言い返すことが出来なかった。
確かに知った所で、俺には何も出来ない。
きっと余計に葵を困らせるだけだ。


